「日医標準レセプトソフト」はこんな風に使われています。

ユーザーの声

岡山県岡山市 ゆうえん医院:結縁 晃治 様

 ソフトタイプ無床診療所版
導入時期2010年4月病床数無床
診療科耳鼻咽喉科サポート事業所なし(自力導入)

■日医標準レセプトソフトを選んだ理由

 当院では2003年の開業以来、エクセルとそのマクロVBAを使って自分で作ったレセコンとカルテ作成システムを使用してきましたが、2011年の電子レセプト義務化の際、電子レセプト対応のレセコンシステムを自分で開発するかどうかの選択を迫られました。
 その時に患者基本情報のデータベース部分とレセコン部分をORCAに置き換えて、自作のエクセルを使ったカルテ作成システムや院内検査データベースと連動させることにしました。市販の電子カルテでも、レセコン機能はORCAを利用するものがいくつかあるようですが、それと同じ方式です。ORCAと自分のシステムの情報交換は、最初は中山裕雄先生が作られて公開されているorcatoolsというCLAIM通信を使ったインターフェースを利用させていただきました。その後Http通信を使ったOrcaAPIの充実にともなって、自分のプログラムからORCAのAPIを呼び出してデータを利用するようにしました。
 またORCAは定評があり業務分野でも広く使われているPostgreSQLというデータベースソフトを利用しており、データベースの構造も公開されているので自分の必要とするデータを自由に取り出せるのもORCAを採用した大きな理由です。
 ORCAはサーバーとクライアントのプログラムが別になっていて、サーバーはLinuxOSで動いていますが、クライアントはWindows用やMac用が提供されているので、使い慣れたOSの端末で利用できます。当院では日常診療で使用するクライアント端末はすべてWindowsとMacで、データ入力から電子レセプトCD作成まですべての作業がLinux端末を使わずに操作できています。

■日医標準レセプトソフトを使って良かったこと

 これまで自作のレセコンを使っていたときには、点数改正時には、点数マスターの修正追加や点数算定ロジックの変更・追加などの作業にかなりの時間が必要でしたが、現在はORCAで数クリックするとインターネット経由でプログラムとデータが更新されて作業は終了です。またこれまで自院システムのレセコン部分の保守にかけていた時間を大幅に節約でき、その時間と労力を自院独自システムの改良に振り向けることができました。

■日医標準レセプトソフト導入時の問題点

 ORCAの導入はサポート事業所に依頼せず自力導入しました。ORCAのインストール自体はマニュアルどおりにおこなえば簡単でした。データ移行作業も自分でおこないましたが、かなり大変で頭書きデータと病名データの移行のみにとどめました。またインターネットに接続した院内LANへのファイアウォールの設定やORCAデータの自動バックアップなどに自分でかなり勉強が必要でした。また地方公費の設定や病名チェックなどには医療事務の知識も必要でした。
 自力導入をお考えの先生は、 ORCAのインストールだけではなくこういう設定を自分で出来るかどうかよく検討された方がよいと思います。自分で時間的・技術的に無理なら導入をサポート事業所に依頼された方がよいと思います。

■今後、日医標準レセプトソフトに期待すること

 ORCAはサーバープログラムとしての完成度は高いと思いますが、クライアントプログラムはCUIで事務職員の評判はまずますですが、他のGUIプログラム使用に慣れた医師には診察しながら入力しやすいユーザーインターフェースではないと思います。今後の改良を期待します。
 HTTPによるAPIも充実してきましたし、今後ORCAサーバーの多様な接続方法を提供していただければサードパーティーのクライアントプログラムも増えるでしょうし、電子カルテもORCAと連携するものが増えるのではないでしょうか。また標準提供のクライアントプログラムでも、Webブラウザーから利用できるものやiOSやアンドロイドなどのタブレットOS対応のものを期待しています。

■その他

 電子カルテなどの診療プログラムを自作してお使いの先生も少なくないと思いますが、レセコン部分にORCAサーバーを組み込んで利用することにより、保守管理が非常に楽になります。診療プログラム自作派の先生にもレセコンモジュールとしてのORCAの利用を是非おすすめしたいと思います。

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